2023/01/20 17:22
『極贅』サービス責任者の加藤です。
こちらのブログでもご紹介しているように、鹿児島黒牛が和牛日本一の称号を獲得するほど素晴らしい肉質となるには、子牛を産む繫殖牛の存在が大きいと言います。
つまり、鹿児島黒牛を育むのは”健康な母牛”。
「それなら、まずはお母さまにお目にかからねば…!」ということで、鹿児島県志布志市にある繁殖農家の留村さんを訪ねました。
このあたりは妻の実家の近く、そして私自身も2児の父親であることから、縁を感じずにはいられませんでした。
鹿児島黒牛の礎となる、繁殖牛の役割
(繁殖農家の留村さんと、母牛たちのすぐそばで内心ドキドキしている加藤)
繁殖牛とは、将来食用として出荷される子牛を産むために飼育されている母牛のことです。
一般的に子牛は体重200~300kgほどで競りに出され、それを今度は体を大きく、かつ美しいサシが入るように育て上げるための肥育農家へと受け渡されます。
では、なぜそのように繁殖と肥育が分けられているのでしょうか。
2022年10月に行われた「第12回全国和牛能力共進会」で1位を獲得した「繁殖雌牛群」でもわかるように、素晴らしい肉質を持つ牛を安定的に産むため、繁殖牛として求められる基本的な能力とその保全が求められています。
つまり、「健康な母牛」の存在が特に重要視されているということ。
生まれる前からしっかりと土台となる母牛を飼育することで、子牛が成長した際にも非常に大きな差となるそうです。
母牛の健康状態や種付けのタイミング、出産環境などを365日休むことなく管理する必要があるため、繁殖のための農家が存在しているのです。
365日、常に愛情を注ぎ誕生する生命
(写真の牛は生後250日くらいですが、すでに鹿児島黒牛としての凛々しさを感じます…!)
留村さんの農場では、一年のうち常にどの牛かが妊娠・出産している状態だそうで、これから温かくなり4月ごろにベビーラッシュを迎えるそうです。
取材に行った1月にも、出産を控えた多くの母牛たちに出会えました。
ここでは、毎日牛たちの体調、食事の管理など、細かな変化も見逃さないように一頭一頭の状態を丁寧に観察しています。 生き物を相手にするわけですから、もちろん365日休みはありません。
また、牛にストレスがかからないようにすることも非常に大切。
のびのびと過ごせる工夫として、運動不足にならないよう放牧を行なっているそうです。
今回訪問して驚いたのが、母牛に声をかけるとこちらへ寄ってきてくれたことです。
牛を飼育している人がたっぷりと愛情を持って接しているのがわかる場面でした。
また、餌となる草も牛自身の堆肥を肥料にして育てているため、循環型の畜産が行われているのだそうです。
牛が口にするものもきちんと考えて、大切に愛情を注いで育てられているからこそ、上質な鹿児島黒牛となる土台ができるのだと感じました。
母から子へ受け継がれる、鹿児島黒牛としての誇り
日本では、幕末から明治維新にかけて本格的に肉食文化が幕を開けたといわれています。
薩摩の地でも、当時「羽島(はしま)牛」「加世田(かせだ)牛」「種子島(たねがしま)牛」などの在来種がいました。
これらの牛を、先人たちが改良に改良を重ねて生まれたのが現在の鹿児島黒牛です。
鹿児島黒牛の美味しさは、その"血統"も大切な条件の一つ。
より品質を向上させながら鹿児島黒牛のブランドを受け継いでこられたのは、過去から現在に至るまでずっと取り組んでこられた繁殖農家の方々の努力あってこそだと強く感じました。
確かな環境で、たっぷりの愛情を注いで育てられた母牛。
また春を迎えた頃に会いに来たいと思います。
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